ABOUT PROJECT

STAND UP STUDENTS Powered by 東京新聞

Powered by 東京新聞ABOUT PROJECT

いま、わたしたちのまわりで、
起きていること。

毎日の勉強や、遊びに恋愛、就活。普段の暮らしの中では見えてこないたくさんのできごと。環境のことや政治、経済のこと。友達の悩みも、将来への不安も。小さなことも大きなことも全部、きっと大切な、自分たちのこと。

確かなこと。信じること。納得すること。コミュニケーションや、意見の交換。
あたりまえの自由さ、権利。流れてきた情報に頼るのではなくて、自分たちの目で耳で、手で、足で、感動をつかんでいく。

東京新聞『STAND UP STUDENTS』は、これからの社会を生きる若者たちに寄り添い、明日へと立ち向かっていくためのウェブマガジンです。等身大の学生たちのリアルな声や、第一線で活躍する先輩たちの声を集めることで、少しでも、誰かの明日の、生きる知恵やヒントになりたい。

時代を見つめ、絶えずファクトチェックを続けてきた『新聞』というメディアだからこそ伝えられる、『いま』が、ここに集まります。

STUDENT VOICE

古市素英

25歳

STUDENT VOICE

世の中もっと
曖昧でいいと思う

古市素英 25歳

世の中もっと
曖昧でいいと思う

僕は、自分の意見や考えを言葉にするのがとても苦手です。でも、言葉になっていることだけが全てではないし、SNS やネットにはさも答えらしいことが書かれているけれど、大事なのは答えが出るとか出ないとかではなく、答えを探すプロセスの中で悩むことや、答えのない曖昧なことも受け入れられることだと思います。「人間はすべて矛盾の中に生きている」という岡本太郎の言葉にもあるように、矛盾しててもいいから自分らしくありたいです。

新聞やニュース、メディアについて
聞かせてください
社会学に興味があることもあって新聞はよく読むようにしています。取材で得た一次情報を、ファクトとして淡々と書いてくれているので信頼できます。SNS やキュレーションサイトは個人の視点なので、あくまで二次情報として自分の持っている一次情報を咀嚼して比較したり多角的に見たりするためだけに使っています。
東京新聞の記者に
聞いてみたいことはありますか?
STAND UP STUDENTS はとても素敵なプロジェクトだと思い参加してみましたが、自分の伝えたいことを言葉にするのにとても苦労しました。記者のみなさんは、自分の思ってることを伝える、言葉にするにあたって、特に大事にしていることはありますか? もし気持ちを言葉にするコツなどがあれば教えてください。
回答 あり

東京新聞 運動部 森合正範から

古市さんの思いは私にきちんと伝わっています。決して、意見や考えを言葉にするのは苦手ではないと思いますよ。

お話の中で、大事なのは「答えを探すプロセスの中で悩むことや、答えのない曖昧なことも受け入れられること」とありましたね。すごく共感しました。

私はスポーツ記者で、オリンピック競技やボクシングを担当しています。先日、ボクシングの五輪金メダリストで世界チャンピオンの村田諒太選手が話していたのですが、20年も競技をやっているのに、いまだに基本的な動きやどのような打ち方が良いのか、正解が分からないそうです。頂点を極めているようにみえる選手でも、日々、答えを探し求めて悩み、苦しんでいます。もしかしたら、正解などないのかもしれません。自分と向き合い、答えを探し求める作業を、我々は『成長』や『進化』と呼んでいるのではないでしょうか。

真剣に考えて導き出した答えならば、極端な話、昨日の考えと今日の意見に矛盾があったとしても、それは仕方がないこと。他人の矛盾を突くのではなく、相手の話をきちんと聞き、受け入れる寛容な社会になってほしいですよね。

私は毎日、原稿に苦労していますが、大事にしていることもあります。記事を書かれた相手(選手)の気持ちを想像すること、読者の視点に立って物事を考えること。この2点です。文章には言い方や声のトーンはありません。ストレートに言葉や表現が読者に伝わっていきます。取材相手にどれだけ寄り添い、気持ちをくみ取れているのか。読者に物事を正確に伝えられているのか。俯瞰(ふかん)的というより、むしろ、書かれた人の思いと読者目線を尊重したいと考えています。

気持ちを言葉にするコツはなかなかありませんよね。自分を書くときや心の中を表現するとき、大きく見せたくなることがあります。だからテクニックよりも、どれだけ素直になり、等身大の自分でいられるかの方が大切ではないでしょうか。

森合正範
48歳。2000年入社。東京本社運動部でオリンピック競技、ボクシングを担当。著書に「力石徹のモデルになった男 天才空手家 山崎照朝」(東京新聞出版)。
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