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STAND UP STUDENTS Powered by 東京新聞

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いま、わたしたちのまわりで、
起きていること。

毎日の勉強や、遊びに恋愛、就活。普段の暮らしの中では見えてこないたくさんのできごと。環境のことや政治、経済のこと。友達の悩みも、将来への不安も。小さなことも大きなことも全部、きっと大切な、自分たちのこと。

確かなこと。信じること。納得すること。コミュニケーションや、意見の交換。
あたりまえの自由さ、権利。流れてきた情報に頼るのではなくて、自分たちの目で耳で、手で、足で、感動をつかんでいく。

東京新聞『STAND UP STUDENTS』は、これからの社会を生きる若者たちに寄り添い、明日へと立ち向かっていくためのウェブマガジンです。等身大の学生たちのリアルな声や、第一線で活躍する先輩たちの声を集めることで、少しでも、誰かの明日の、生きる知恵やヒントになりたい。

時代を見つめ、絶えずファクトチェックを続けてきた『新聞』というメディアだからこそ伝えられる、『いま』が、ここに集まります。

STUDENT VOICE

山塚聖雅

21歳

STUDENT VOICE

本当に伝えたいことって
なんだっけ?

山塚聖雅 21歳

本当に伝えたいことって
なんだっけ?

文学部で英文学を学んでいることもあって、「言葉」が持つ本来の意味や本質的な魅力をおざなりにしてしまっているひとが多いように感じます。じっくり読み解けばわかる話を AI や誰かの「まとめ」でショートカットしたり、ウケ狙いで書かれた噂話レベルの話をさも自分の意見のように発信したりするひとが多くて、モヤモヤします。自分は「本当に伝わるべきこと」を見失わないように、時間をかけて発信者の意図を汲めたらと思います。

新聞やニュース、メディアについて
聞かせてください
すばやくニュースを得たい時は普段から使っているLINE のニュース配信を見ることが多いです。通知が届くので、忙しい時にパッと見て気になった記事にアクセスできるのがいいかなと。時間がある時は英語の勉強も兼ねて BBC や子どもの頃から好きだったナショナルジオグラフィックを見るようにしています。
東京新聞の記者に
聞いてみたいことはありますか?
常に公平中立さを求められる新聞で、カメラマンの存在が気になります。切り取り方によっては作為だと受け止められかねない場面もありそうですが、どんなことを大切にしていますか。カメラを構えた時、一番に意識していることは何ですか?

掲載日:2025年12月17日
回答 あり

東京新聞 写真部 久野千恵子から

ご質問ありがとうございます。ちょうど最近、そんなトピックがありましたよね。

11月、高市早苗首相の台湾有事発言後に中国で、日本と中国の外務省局長級協議が行われました。その後、中国のSNSで拡散された写真をご覧になりましたか。日本側の金井正彰アジア大洋州局長が、中国側の劉勁松アジア局長に頭を下げているように見える写真です。

実際は、金井氏は通訳の話を聞くために耳を傾けただけだったようですが、中国国内では、日本が謝罪に来たといった捉え方で拡散されました。印象操作のために作為的に写真が利用されたと思われる一例です。

終始ニコニコと対応していた人が、一瞬くしゃみで顔をゆがめたようなところを撮れば、「感じの悪い人」との印象を与えることも可能です。われわれカメラマンは、被写体がいつもとちょっと違う表情や仕草を見せる時こそシャッターを切るので、作為的な写真を世に出そうと思えば簡単にできてしまいます。

ただ、今は記者会見の様子はノーカットで動画配信されたり、被写体本人がSNSで声を上げたりすることもできるようになったので、おかしな切り取り方をした写真はすぐにバレます。前述の金井氏と劉氏の件も、動画を見れば、写真の印象とは違うことがわかりますよね。

普段の仕事では、望遠レンズを使って空間を圧縮することで、七分咲きくらいの花畑でも見ばえがするように撮るくらいの工夫はしてしまいます。あまり実際とかけ離れてしまうと、それを目当てに行った読者の方をがっかりさせることになるので、許される範囲内でと心がけていますが。

カメラを構えたときに一番に意識したいと思っているのは、撮られる人、見る人が喜んでくれるような写真を撮ることです。新聞社のカメラマンといえば事件現場や災害現場に常にいるイメージかもしれません。でも実際はそのような現場に行く回数はそれほど多くありません。季節の風物詩や行事、イベント、授賞式など、誰かの晴れ舞台にお邪魔することのほうが多いのです。晴れの舞台の主役から、「素敵な写真を撮ってくれてありがとう」と言われることが、私の喜びでもあります。

ただ、カメラを構えたときに本当に考えているのは、「失敗しませんように!」ですね。ストロボは使うか使わないか、レンズは望遠かワイドか、露出はこれでいいか。撮影が終わってからもずっと、さっきの選択は正しかったか、もっと良い写真が撮れたのではないかと自問する毎日です。

久野千恵子
2001年入社。名古屋、金沢両本社を経て、東京へ。子育てで一度写真部を離れ、読者部で読者対応に従事。写真部復帰後の今は、事件・事故、政治から芸能まで、東京新聞、東京中日スポーツに載る写真はなんでも担当。犬を愛し、犬からも愛される46歳。


回答掲載日:2025年12月24日
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