Powered by 東京新聞ABOUT PROJECT
いま、わたしたちのまわりで、
起きていること。
毎日の勉強や、遊びに恋愛、就活。普段の暮らしの中では見えてこないたくさんのできごと。環境のことや政治、経済のこと。友達の悩みも、将来への不安も。小さなことも大きなことも全部、きっと大切な、自分たちのこと。
確かなこと。信じること。納得すること。コミュニケーションや、意見の交換。
あたりまえの自由さ、権利。流れてきた情報に頼るのではなくて、自分たちの目で耳で、手で、足で、感動をつかんでいく。
東京新聞『STAND UP STUDENTS』は、これからの社会を生きる若者たちに寄り添い、明日へと立ち向かっていくためのウェブマガジンです。等身大の学生たちのリアルな声や、第一線で活躍する先輩たちの声を集めることで、少しでも、誰かの明日の、生きる知恵やヒントになりたい。
時代を見つめ、絶えずファクトチェックを続けてきた『新聞』というメディアだからこそ伝えられる、『いま』が、ここに集まります。
STUDENT VOICE
中村碧子
22歳
STUDENT VOICE
もっとアート活動に
国の理解や支援を!
中村碧子 22歳
もっとアート活動に
国の理解や支援を!
美大に通っているので、卒業したらアーティストになりたかったんですが、授業もコロナでオンラインだし、まだまだわからないことも多く、生活が優先かなと思って就活をしています。今は SNS で発信もできるので、仕事をしながら休日に制作をするという選択肢もいいかなと思うのですが、才能があっても諦めてしまう人は多いと思います。だからもっと経済的な問題にとらわれずにアート活動ができるよう国の理解や支援があるといいなと、その方法を友人たちと話しています。
東京新聞 文化芸能部 清水祐樹から
そもそも、アートとは何か?― という本質に迫るような鋭い質問ですね。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、社会では「不要不急」の自粛が叫ばれました。果たして、アートはどうでしょう? 「不要不急」の存在なのでしょうか? 私にとっても、改めてその意義や価値を見つめ直す機会になりました。
アートと一口に言っても、多彩な表現がありますが、いずれも視覚や聴覚など私たちの五感に訴えかけてくれるものでしょう。触れることでもたらされる、何らかの刺激。それがアートの力なのではないかと思います。もちろん、誰もが同じ作品に対して同じ刺激を受けるとは限りません。人それぞれで、感じ方が異なる点もアートの魅力の一つだと考えています。
中村さんは「暗い気持ちの時こそ、アートに触れたい」と思ったのですよね。この思いの中に、質問の答えはあるのではないでしょうか。
中村さんがアートを求めたように、コロナ禍でアートができること、アートが救えるものは必ずあるはずです。ただ、それが何であるかを明確に特定することは難しいと思います。さまざまな可能性を秘めているからこそ、アートなのだと考えてみてもいいかもしれません。
美術館の閉館が相次ぎ、落ち込んだ気持ちはよく分かります。未知の感染症への対策として、やむを得なかった面はありますが、アートは決して「不要不急」のぜいたく品ではない、ということを多くの人が実感したのではないでしょうか。
一方、コロナ禍では、日本のアートへの理解や支援の乏しさも浮き彫りになりました。若者がアーティストを目指せないような環境が少しでも改善されるよう、私たちも声を上げ続けなければならないと痛感しています。