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STAND UP STUDENTS Powered by 東京新聞

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いま、わたしたちのまわりで、
起きていること。

毎日の勉強や、遊びに恋愛、就活。普段の暮らしの中では見えてこないたくさんのできごと。環境のことや政治、経済のこと。友達の悩みも、将来への不安も。小さなことも大きなことも全部、きっと大切な、自分たちのこと。

確かなこと。信じること。納得すること。コミュニケーションや、意見の交換。
あたりまえの自由さ、権利。流れてきた情報に頼るのではなくて、自分たちの目で耳で、手で、足で、感動をつかんでいく。

東京新聞『STAND UP STUDENTS』は、これからの社会を生きる若者たちに寄り添い、明日へと立ち向かっていくためのウェブマガジンです。等身大の学生たちのリアルな声や、第一線で活躍する先輩たちの声を集めることで、少しでも、誰かの明日の、生きる知恵やヒントになりたい。

時代を見つめ、絶えずファクトチェックを続けてきた『新聞』というメディアだからこそ伝えられる、『いま』が、ここに集まります。

STUDENT VOICE

古賀君香

19歳

STUDENT VOICE

性差で分け隔てせず
生きやすい社会に

古賀君香 19歳

性差で分け隔てせず
生きやすい社会に

女だからおしとやかにとか、父親が働いて母親が家事育児をするのが当たり前とか、ジェンダーによる決めつけに疑問を感じています。メディアや SNS のおかげで以前よりは理解が進んでいるとはいえ、セーフティネットがない状態で子どもを産んで育てなさいと言われても無理があります。性差で分け隔てせずに、子育てしやすい社会を目指すために、私も少しずつ行動を起こせたらと思っています。

新聞やニュース、メディアについて
聞かせてください
情報が消費財として使われてしまう世の中なので何を信じるべきか見極めることが大切。海外で起きているニュースはメディアより SNS で。現地の人や当事者の方々の声を翻訳したり英語のわかる友人をフォローしたりすることで、問題をより身近に感じるようにしています。他人事では片付けられないと思ってます。
東京新聞の記者に
聞いてみたいことはありますか?
取材の対象者が本心を隠して『嘘』をついているなと思うことはありますか? その時、どう思い、どうやって記事としてまとめ、伝えますか?
回答 あり

東京新聞 生活部 今川綾音から

取材相手が嘘をついているかもしれないと感じた時、どうするか。古賀さんに質問をいただいて、あらためて考えてみました。

取材に限らず、相手が嘘をついていると感じる場面、もしくは、嘘ではないにしても、本音を言っていない、言えていない、という場面は、日常生活でもたくさんありますよね。そして、そのどれにも本音を言えない理由や状況があるはずです。

大事な人(付き合っている人や友達でしょうか)が嘘をついている、本音を隠している、と感じたとき、古賀さんはどうしますか? 相手によって、また、自分がどれだけ相手の本音を知りたいと思っているかによって、アプローチは違ってくるのではないでしょうか。

取材も同じです。
「本音ではない」と感じる瞬間は、たしかにあります。
ただ、一口に「本当のことを言っていない」といっても、大きく分けると3つのケースがあるのではないかと考えています。

1)立場上、言えない
2)本音を言いたくない
3)本音に気付いていない

1)の「立場上、言えない」場合は、事前にある程度予測できます。例えば、PTA会長としては言いにくいけれど、一保護者としての意見はこうだ、というような場合。その立場という前提がなければ、聞ける話もあるはずです。「PTA会長という立場での考えをお聞きしましたが、一人の親としてはどうですか?」と、前提を変えて聞くことで、より生き生きした話が聞けることも少なくありません。相手も納得のいく形で、どのように記事に反映するか。難しいですが、腕の見せ所でもあります。相手の許可を得た上で、本音と建前が分かるように書くこともありますし、名前や肩書きを一部伏せる判断をすることもあります。もちろん、企業や政治家が嘘をついた場合は、そのこと自体がニュースになります。

2)の「本音を言いたくない」場合は、質問の角度を変えたり、内容によっては、日をあらためたりすることもあります。何度も通って、心を許してもらってからでなければ聞けない話もあれば、30分の取材であっても、こちらの真剣さを相手が感じて、本音ベースのやりとりに切り替えてくれることもあります。取材ノートを閉じて、カメラをしまう。こちらが取材の態勢を解いたところから始まる話もあります。

3)は、取材相手自身が自分の「本音に気付いていない」ケースです。会話を重ねて感じた違和感を「本当はこういうことではないですか?」とぶつけると、否定されることは意外に少なく、そこからさらに話が深まることも珍しくありません。取材中に感じた違和感を見逃さないように気を付けています。

それでも本音にたどり着けないような場合は、記事にすること自体を見送ることもありますし、取材後記として記者目線で感じたことを書くこともあります。

いずれにせよ、ここぞという取材で相手の本音を引き出せるかどうかの鍵は、記者の本気度と事前の準備だと肝に銘じています(準備に時間をかけられない取材もありますが)。どんなふうに人や物事に向き合ってきたかが問われる仕事だと思いますし、そこに面白さと難しさ、そしてやりがいを感じています。

今川綾音
2005年入社。中日新聞東京本社(東京新聞)生活部で子ども・子育てを担当。2018年に子育てサイト「東京すくすく」を立ち上げ、現在は副編集長。産後クライシスや特別養子縁組、子ども虐待など家族の問題、発達障害やPTA問題を取材。42歳。
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