Powered by 東京新聞ABOUT PROJECT
いま、わたしたちのまわりで、
起きていること。
毎日の勉強や、遊びに恋愛、就活。普段の暮らしの中では見えてこないたくさんのできごと。環境のことや政治、経済のこと。友達の悩みも、将来への不安も。小さなことも大きなことも全部、きっと大切な、自分たちのこと。
確かなこと。信じること。納得すること。コミュニケーションや、意見の交換。
あたりまえの自由さ、権利。流れてきた情報に頼るのではなくて、自分たちの目で耳で、手で、足で、感動をつかんでいく。
東京新聞『STAND UP STUDENTS』は、これからの社会を生きる若者たちに寄り添い、明日へと立ち向かっていくためのウェブマガジンです。等身大の学生たちのリアルな声や、第一線で活躍する先輩たちの声を集めることで、少しでも、誰かの明日の、生きる知恵やヒントになりたい。
時代を見つめ、絶えずファクトチェックを続けてきた『新聞』というメディアだからこそ伝えられる、『いま』が、ここに集まります。
STUDENT VOICE
立石雄大
21歳
STUDENT VOICE
自分の進む道は
自分で選びたい
立石雄大 21歳
自分の進む道は
自分で選びたい
社会について考えてみたんですけど、あまり自分がこの社会の中に組み込まれているっていう認識が持ててないんですよね。社会が好きじゃないというより、同調圧力に負けたくないし、誰かの意見に無理に合わせたくないって思うと社会に対してピンと来ないというか…。流されてしまってる人が多いような印象があります。別にみんなと違うことがしたいっていうわけではなくて、自分の進む道は自分で選びたい。そのための選択肢はもっとたくさんあるはずだと思っています。
東京新聞 デジタル編集部 三輪喜人から
質問ありがとうございます。新聞記事とは? 新聞社の存在意義とは? にもつながる話ですね。
新聞が「売れない」時代に、「売れる」記事は何か。デジタル編集部に所属する私は、そんなことを考えたりもします。でも、売れるっていうと、いやらしい響きがしますよね。ちょっと上から目線の傲慢な気もするし、受け手のことを考えていないような感じもする。
当たり前ですが、届ける相手がいなければ、新聞は成り立ちません。取材する相手がいて、買ってくれる人、読んでくれる人がいる。その仲介をするのがメディアです。紙でもスマホでも変わりません。
記者からすると、記事をせっかく書いたなら、たくさんの人に読んでもらいたい。私もそうだし、これまで会った多くの記者や同僚も、そう思っていました。厳しい質問をする怖そうな記者も、案外、素朴な気持ちで執筆していました。記事を書くときに、「これはウケそうだな」とか読者を想像して、ネタを吟味することは必須です。
でも新聞を開くと、一見して売れそうな記事だけが載っているわけではありません。戦争を経験したお年寄りの言葉、大きな地震から立ち上がる被災者の姿、地域の花壇を長年、手入れしてきた人…。芸能人のスキャンダルと比べると、ちょっと地味に感じるかもしれませんが、伝える価値があります。
記者は、読まれそうかどうかと同時に、「この記事は伝える価値はあるのか?」も考えています。今日の読者だけでなく、未来の人たちにも届くことを思い浮かべます。
2021年の東京では、こんな出来事があった。こんな暮らし方をしていた。こんな喜びや悲しみがあった。こうしたことを未来の読者のために記録して残すことも大事な仕事です。
新聞社の看板で紙面にする以上、エゴと独断で判断して記事にすることは、まずありえません。テーマ選びやネタの集め方、取材の方法は個性が出ますし、コラムなどで記者の視点や経験を語ることもあります。ですが、執筆者とは別に、「デスク」と呼ばれる原稿をチェックする人がいます。新聞記事はつくる過程で誰かの目を通っていることが、個人で管理しているSNSとの大きな違いです。
書き方にしても、難しい単語をてんこ盛りにして頭が良さそうに見せても、分かりにくかったら意味がありません。それこそエゴと独断による自己満足ですよね。先輩からは「自分のおばあちゃんが読んで、すっとわかるように」と教わりました。まずは「届く」記事を心掛けて、発信するようにしています。