Powered by 東京新聞ABOUT PROJECT
いま、わたしたちのまわりで、
起きていること。
毎日の勉強や、遊びに恋愛、就活。普段の暮らしの中では見えてこないたくさんのできごと。環境のことや政治、経済のこと。友達の悩みも、将来への不安も。小さなことも大きなことも全部、きっと大切な、自分たちのこと。
確かなこと。信じること。納得すること。コミュニケーションや、意見の交換。
あたりまえの自由さ、権利。流れてきた情報に頼るのではなくて、自分たちの目で耳で、手で、足で、感動をつかんでいく。
東京新聞『STAND UP STUDENTS』は、これからの社会を生きる若者たちに寄り添い、明日へと立ち向かっていくためのウェブマガジンです。等身大の学生たちのリアルな声や、第一線で活躍する先輩たちの声を集めることで、少しでも、誰かの明日の、生きる知恵やヒントになりたい。
時代を見つめ、絶えずファクトチェックを続けてきた『新聞』というメディアだからこそ伝えられる、『いま』が、ここに集まります。
STUDENT VOICE
臼杵ふたば
24歳
STUDENT VOICE
誰もがあらゆることを
選択できる社会へ
臼杵ふたば 24歳
誰もがあらゆることを
選択できる社会へ
高校の頃から女性が声を上げにくい社会を何とかしたいという思いがあり、今年3月には所属する NGO を通じて、ニューヨークの国連本部で第68回「女性の地位委員会(CSW)」に出席しました。歴史ある国際会議を自分の目で確かめたいと思ったのですがジェンダー課題は山積み…。日本では認知さえされていません。だから私は、これからもジェンダー視点から社会課題を学び続けて、誰もがあらゆることを選択できる社会に変えられるよう、力を発揮していきたいです。
東京新聞 編集委員 東松充憲から
教育現場で新聞を扱うときに最も大切なのは「複数の新聞社の新聞記事をバランスよく使う」ことじゃないかなと思います。
あるひとつの視点からの記事だけではなく、さまざまな角度からの記事が目の前にある。そのほうが子どもたちも「選ぶ」そして「比べる」という作戦を使えます。自分なりの考えを深めやすくなるのではないでしょうか。
いつも子どもたちの成長を第一に考える先生たちですが、管理職の目からどう見えるか、そして、保護者の皆さんの理解・共感が得られるか、もやはり大事です。その点でも、ひとつの新聞に偏らないほうがベターです。さまざまな意見や立場があるのが健全な社会です。その尊さも、生徒たちに学んでもらえればと思います。
生徒が新聞の紙面を広げて気になる記事を読んでみる。そのとき、記事が伝えようとしている何かを、その生徒が「本当に自分のものにしていく」ために効果的な方法はなんでしょうか?
それは記事を「切り抜いてしまう」ことだと思います。
紙の教科書を切り抜く生徒はいないと思いますけれども、新聞は切り抜いてしまえばよいものなのです。デジタルデータで保存するのに比べ、切り抜いた記事にはモノとしての質感や手触りがあります。学校図書館で保管期間が終わりリサイクル予定となった古新聞などを使ってぜひやってみてください。司書さんに相談すると力になってくれます。
※(編集部から) 東京新聞電子版アプリにも「スクラップ帳」の機能があり、気になる記事を切り抜いてアプリ内に保存することができます。
新しい新聞を使いたいときは、各新聞社が学校教育向けに設定している「教材価格」で購入すれば、びっくりするくらいの低価格で最新の新聞を入手できます。東京新聞朝刊の教材価格は1部25円です。
「切り抜いてしまう」のは自分のものにする方法でした。これに加えて、自分の気づきを「みんなのものにしていく」ための方法もあります。
新聞を読んで「人と話すきっかけが生まれた」とおっしゃる臼杵さんならすぐピンと来るんじゃないかと思いますが、それは、選んだ記事をネタに、近くの級友同士で「対話する」という学びです。新聞活用教育に取り組む先生たちの間では「まわしよみ新聞」というグループワークが有名です。インターネットで検索するとすぐ見つかると思います。
新聞ってなんなん? その説明を出前授業で児童生徒にするとき私は、「確かな情報で人々をつなぎ、民主主義を支えるものです」と伝えるようにしています。新聞の伝える「確かな情報」を目にした1人1人の心に意見や感想が生まれる。それを教室で披露し合い、意見を交わしてみる。すると、自分にはなかった他者の視点や価値観に刺激を受け、自分の心がより豊かに広がるような感覚を味わえます。対話的で深い学びになります。
近い将来、新聞が電子版などのデジタル新聞に移行していくと、紙の新聞をふんだんに使った新聞活用教育を教室で行うのは難しくなるかもしれませんね。紙の新聞の活用が可能なうちにいろいろ試していたただき、そのメリット、デメリットを踏まえたうえで、臼杵さんのような若い世代に、これからの新しい学びを見つけていってほしいです。