
Powered by 東京新聞ABOUT PROJECT
いま、わたしたちのまわりで、
起きていること。
毎日の勉強や、遊びに恋愛、就活。普段の暮らしの中では見えてこないたくさんのできごと。環境のことや政治、経済のこと。友達の悩みも、将来への不安も。小さなことも大きなことも全部、きっと大切な、自分たちのこと。
確かなこと。信じること。納得すること。コミュニケーションや、意見の交換。
あたりまえの自由さ、権利。流れてきた情報に頼るのではなくて、自分たちの目で耳で、手で、足で、感動をつかんでいく。
東京新聞『STAND UP STUDENTS』は、これからの社会を生きる若者たちに寄り添い、明日へと立ち向かっていくためのウェブマガジンです。等身大の学生たちのリアルな声や、第一線で活躍する先輩たちの声を集めることで、少しでも、誰かの明日の、生きる知恵やヒントになりたい。
時代を見つめ、絶えずファクトチェックを続けてきた『新聞』というメディアだからこそ伝えられる、『いま』が、ここに集まります。
STUDENT VOICE
吉川采那
23歳
STUDENT VOICE
誰も取りこぼされない
社会を実現するために
吉川采那 23歳
誰も取りこぼされない
社会を実現するために
国際経営学科ということもあり「グローバル化」で世の中が良くなるという前提でものを考えていました。ただ、その陰で恩恵を受けられなかった人たちが世界中にたくさんいることや、立場や職業によって「いい政治」は変わることを知りました。私は視野が狭かったなと⋯。だからさまざまな人の声に耳を傾けて、誰も取りこぼされない社会を実現するために何ができるのか、考えていきたいです。
東京新聞 武蔵野通信局 石原真樹から

会社を休職し、2024年9月から1年間イギリスの大学院に留学しました。出国時45歳。19歳の娘と犬を自宅に残しての中年留学でした。
現地で強く感じたのは「いい年して」とか「こうあるべき」というプレッシャーからの解放感でした。
自分が単なる留学生で地域コミュニティなどに所属していないからということも大きいでしょう。でも、知り合った20代後半の大学1年生のイギリス人の男の子は、高校卒業してすぐは「自分はまだ準備ができていない」と進学しなかったそうで「今が自分にとってベスト。満足している」とうれしそうに話していました。
週末になると私と同世代か上の女性がピンヒールにミニスカートで堂々とパブに繰り出していました。クリスマスシーズンには町のあちこちで、トナカイやサンタクロース柄のセーターを着て連れ立って歩いてるおじさんの姿が。
「自分がどうしたいのか」が最初にあるのだな、と感じました。
ひるがえって、同じ大学院に留学中の日本人の20代若者たちは、留学したいと上司に告げると「もったいない」「なんで今?」と否定的な言葉をかけられたとぼやいていました。
留学中に就活すると、外資系企業の面接では「何を学んでいるのか」と尋ねられるのに、日本企業からは「なんで留学してるの」と言われる、とも。学校を出て就職し、道草食わずに働き続ける人生こそが幸せであるという価値観が未だに強いことを実感しました。
日本社会の根深い問題で特効薬はなく、枠をはみ出る人がちょっとずつ増えて、枠の輪郭を壊していくしかないのかなと思います。「あの人今休んでいるらしいよ」「そうなんだ」。以上。で終わるようになればいいですよね。
介護や出産などの理由がなくても、「自分がしたいから」で休めるようになって、みんなの幸福度がアップしたら、それはいい社会と言えるのではないでしょうか。人生を充実させるための休みを「負担が増える」「ずるい」などとマイナスに受け止めるのではなく、「楽しそうでいいね!私も!」とプラスのループにしていきたい。
中年留学を決断したのは留学する2年前、他社の記者の留学体験談を聞いたことがきっかけでした。当時娘は高校2年生。シングルマザーでそれまで仕事と子育てに追われて毎日こなすだけで精一杯でしたが、はたと「子育て、意外と早く終わるかも」と気づきました。子育てが一段落してまだ自分の親が元気な時間は、自分だけのために使えるとても貴重なタイミングではないかと思い、2年がかりで計画し実現させました。
留学中に「年を取っても留学できるんですね」と若者に言われたことがとてもうれしかったです。こういう道もあるよ、と選択肢を示せたことが。
私にとってはこのタイミングがベストでしたが、人によって違います。留学先では言語学を学んでいる「トム・クルーズと同い年」の韓国人女性とも仲良くなりました。
チャンスはいつくるか分からないけれど、きたら迷わずキャッチしてほしい。
今回留学できたのは、いろいろな環境が恵まれていたから、という自覚もあります。還元すべく、出入り自由な社会を目指して記事を書いていきたいと思います。